フォロワー4.8万人!漫画家どでんちゃん先生に聞く「戦略的」エックスフォロワー獲得術

主に漫画をエックス(旧ツイッター)で掲載し、フォロワー4.8万人。
どでんちゃん先生はジャンププラス「3年C組鬼瓦先生 〜なぜか皆に好かれている体育教師〜」の連載や、コミックシーモア「レンタルマーダー」で連載を行った実績もある漫画家だ。
どでんちゃん先生はもともと商業漫画家ではなく、広告漫画をメインに活動していた。
3年前、商業漫画家への転換を果たし、エックスのフォロワーを急増させ夢だった商業での連載も叶えている。
どでんちゃん先生のフォロワーの伸ばし方はマーケティング的な視点で戦略を立てている。
今回は、クリエイターには少ない「マーケティング的な視点でのフォロワー急増法」を紹介する
どのようにして漫画家になったのか?これまでの経歴
nuemo編集長:まずは漫画家になるまでの経歴を教えてほしいです!
どでんちゃん先生(以下、どでんちゃん):漫画を書き始めたのは中学二年生からです。頑張って書いて持ち込みしてました。若い作家は少ないから、最初から目をかけてもらえて…高校一年生では担当が付いたりしましたね。
学生の時は漫画家になるのが夢で、高校を卒業したら漫画の専門学校に行きたいと思っていました。ただ、親に大反対されて…
nuemo編集長:たしかに漫画の専門学校にいきなり賛成する親は少なそうですね。
どでんちゃん:そうですね、だから「高校生のうちに漫画で賞をもらったら、専門学校にいかせてほしい」と伝えて、それはOKをもらいました。結局、高校のうちに奨励賞を取って専門学校に行けたんです。
その後は専門学校に通いながら勉強しつつ、1年半で商業漫画家のアシスタントに入るようになりました。
「ミナミの帝王(週刊漫画ゴラク)」で学生のうちからアシスタントとして働きました。そこから、5年間は下積みでアシスタントに入りました。
nuemo編集長:有言実行ですごいですね!アシスタントに5年も入っていたのは意外です。
どでんちゃん:アシスタントの期間は人によりますが、私は5年やりました。その間も漫画を書いていたんですが、なかなか漫画家としてデビューできなかったんです。
少しずつ漫画家としての道で進むことに、諦めを感じ始めていた頃です。アシスタント先で、他のアシスタントの人を見て「このままではダメだな」と思っていたこともあります。
そこで、一度漫画家の夢を諦めました。アシスタントも辞め、漫画家以外の仕事を2年しました。漫画に関わらない時期も長かったです。
nuemo編集長:漫画家になる前に一度諦めた時期があったんですね。
どでんちゃん:そうですね。でも結局、クリエイティブな仕事がしたいという気持ちが強くなります。それで、イラストを使った広告を作る会社に転職します。そこで「広告漫画家」という職業に出会いました。
広告漫画家としての再スタートと仕事の獲得方法
nuemo編集長:商業連載での漫画家の前に、広告メインの漫画家になったのですね!
どでんちゃん:はい。広告漫画家として会社で働いていました。当時は漫画を使った広告が流行っていて、イラスト付きのLPをたくさん作ってました。
nuemo編集長:そうだったんですね。でも、結局その会社から独立されたんですよね?
どでんちゃん:ですね。独立して稼げそうだと思って、一気にフリーランスになりました。
nuemo編集長:なるほど、そういう経緯で漫画に戻ったということですね。お仕事はどうやって獲っていたんですか?
どでんちゃん:私の場合は基本営業をかけて案件を獲っていました。
nuemo編集長:営業で仕事を獲得していたんですね、具体的にはどのようにやっていたんですか?
どでんちゃん:①マーケターや経営者が開催するイベント(飲み会や交流会)で営業、②オンラインサロンで漫画家のいないところを見つけてトップとつながる、③クラウドソーシングで営業という3つをメインにしていました。
基本的には、飲み会やオンラインサロンで仲良くなって、そこからコラボしましょうと伝えて、仕事を獲得するっていう流れでした!
nuemo編集長:コミュ力すごいですね。飲み会はどれくらい参加していたんですか?
どでんちゃん:だいたい週3回くらいです。とにかく経営者やマーケターにガンガンアプローチして、エックスやFacebookでつながるという流れでした。
nuemo編集長:なるほど、それで広告漫画のお仕事を得ていたということですね。そこから、どういった流れで商業の漫画家へ変わっていったんですか?
どでんちゃん:まず、広告漫画をやっていくうちに「これは自分の仕事ではない」と考えるようになったことですね。広告漫画家の終着点は基本的に「書籍出版」なんですけど、それは別に目指したくないと思っていました。
もっとインパクトがあることをしたいなと思うようになってました。その後、きっかけはコロナでしたね・・・イベント営業ができなくなって、ちょうどよいタイミングで「エックスを頑張って商業漫画家になろう」と決めました!
商業漫画家としてデビュー!ジャンププラスで連載を勝ち取り、テレビ出演も果たす

nuemo編集長:エックスを頑張るという流れになって、どれくらいでフォロワーを伸ばしたんですか?
どでんちゃん:だいたい半年で10,000人まで伸びました。といっても、1回の万バズで7,000人伸びたんですけどね。
nuemo編集長:すごいですね。その手法は後から聞くとして・・・他の漫画もたくさん万バズしていたような・・・?
どでんちゃん:そうですね。「鬼瓦先生」が万バズして、それがきっかけなのか、出す漫画は他のタイトルも含めて全て1万いいねを超える時期がありました。当時のツイッターのアルゴリズムもありましたね。
それで、鬼瓦先生が連載になりました。ジャンププラスでの連載だったので、嬉しかったです!
nuemo編集長:たった半年〜1年で人生が変わっていったということですよね。その後も、「レンタルマーダー」が連載になったんですよね?
どでんちゃん:レンタルマーダーは自分から取りにいく感じでしたけどね笑
nuemo編集長:それでもすごいですよね。これまでの実績が認められて連載になったはずなので!
しかも、念願だったテレビ出演も果たしていましたよね?
どでんちゃん:はい、まんが未知という芸人のハライチ・岩井さんと声優の花澤さんの番組です。もともとテレビで活躍したいという夢があったので、出れたときはかなり嬉しかったです!
nuemo編集長:夢を求めて独立して、それを叶えているのはすごいことですね!

どでんちゃん流エックスの伸ばし方!大切なのはコミュ力?
nuemo編集長:エックスを頑張り始めて、たった半年で1万人まで伸ばしたのはすごいですよね。そもそも、エックスを頑張り始める前はどれくらいフォロワーがいたんですか?
どでんちゃん:だいたい1000人くらいでした。ほぼ全て相互フォローで、交流会で知り合った人だったり、知り合いがメインですね。
nuemo編集長:なるほど、そもそも広告漫画時代で交流会に参加して相互で繋がっていた、ということですよね。
どでんちゃん:はい、ほぼ下地がない状態だったと思います。そこから、漫画投稿を頑張って5ヶ月くらいで3000人まで伸ばしました。
nuemo編集長:1000人→3000人は実質0→1に近かったと思いますが、どのようにして伸ばしていったんですか?
どでんちゃん:初期時にやっていたことは2つあります。
①有名なSNS漫画家とつながる(漫画家と実際に会えるイベントに行く)
②目標をSNSで掲げる
③マーケティング視点でバズる漫画を分析
能力が低いなら他で努力が必要である
どでんちゃん:漫画家は数多くいて、絵が上手い人や話が面白い人もたくさんいます。その中で活躍できるのは一握りなんです。もし、圧倒的な漫画の実力があるなら、それで上にいけると思うんです。
でも、私の場合は圧倒的な漫画の実力があるとは思っていなくて、他で補う必要がありました。そこで有名な漫画家さんが来るイベントに何度も行って、相互フォローになりました。
最近、エックスの攻略法でリプを送ったり、引用リツイートをたくさんする手法があるみたいですけど、それはあまり効率の良いやり方ではないですし、本当の意味で仲良くはなれないです。
オンラインで繋がるんじゃなくて、オフラインで顔を合わせて話したほうが圧倒的に認知されやすいんですよ。
それで有名な漫画家さんと繋がって、漫画を見てもらう。そしてリツイートしてもらう。それで伸ばしていったんです。
nuemo編集長:オンラインでの施策ではなくて、オフラインでの施策が強かったんですね!
どでんちゃん:あとは、エックスで「私はこれから頑張る!〇〇人を目標!」というツイートを固定しておきました。それで、「頑張る人」という認知をされて、応援されるようになったんです。
その固定ツイートが有名な漫画家さんの目に止まって、今でも有名な漫画家さんとは交流があります。
応援される人になることが大切だと思います。
nuemo編集長:目標を掲げることは大切ですよね。それをしっかりとエックスで発信することも大切なステップだったのですね。
マーケティングトレースを漫画に応用!バズる法則を分析しまくる
どでんちゃん:あとは、バズる漫画の法則を研究していました。
nuemo編集長:漫画がバズる法則なんてあるんですね?
どでんちゃん:あります!ただ、それは時期によって違ってきます。SNSでウケやすい漫画は時期ごとにも変わってきていて、トレンドがあるんです。
エックスを頑張り始めてから、最初にやったのは「マーケティングトレース」という方法でした。マーケティングトレースは黒澤さんという方のオンラインサロンで学びました。

nuemo編集長:少し聞いたことがあります。漫画でも実践できるんですね。
どでんちゃん:マーケティングトレースは仕事向きの方法だったので、それの漫画版を作りました。それで、当時バズっていた漫画を10個ピックアップして、どんな特徴があるか?を見極めるようにしていました。
起承転結のパターンを書き出して、物語の流れで共通項があるかを発見してました。
それで「今はこんな漫画がウケやすい」「こういう話の展開が良い」「こんなターゲットに向けて書こう」という情報を掴んでから、実践しましたね。
nuemo編集長:闇雲に努力したわけでなく、マーケティングの視点を持って作品を作っていたんですね。
どでんちゃん:多分、普通の漫画家とは違う視点で書いているんじゃないかな・・・と。わたし自身、突出した才能があるとは思っていないので、分析でカバーしていました。
nuemo編集長:その視点から継続してバズを生み出していったんですね。
挫折はしなかったのか?

nuemo編集長:お話だけ聞くと、かなり順調に商業漫画家にシフトしていった印象です。普通の漫画家さんでも、フォロワー1万人に乗せるまでには、かなり時間が必要だと思います。
でも商業漫画家にシフトしてから、挫折の時期はなかったんですか?
どでんちゃん:ありました。それが、「鬼瓦先生」がバズる少し前の話です。
バズる前、全く上手くいかなくて・・・漫画を書くのを2週間くらいやめていました。
バズらないし、全然良い話も浮かばなくて・・・漫画家にとっては一番厳しい時期ですね。
nuemo編集長:やっぱり、そんな時期もあるんですね。
どでんちゃん:はい、それでグラビアを出したり、キックボクシングを始めたり・・・笑
nuemo編集長:グラビア、出してましたね笑
どでんちゃん:かなり迷いの時期でしたね笑
あと、山に行っていました。高尾山で願掛けしたりして、漫画から少し離れる時期を獲っていました。
宗教ではないですけど、高尾山おすすめです。神社にある輪っかのやつ!
nuemo編集長:なるほど笑
願うことも大事ですね。
どでんちゃん:はい笑
でも、それ以上に「漫画を離れる時期も必要だった」と今では思います。
上手くいかないときに無理やり書き続けるよりも、一旦離れてみて、色々なことをやってみるのがおすすめです。
そうすると、不意に良いアイデアが思いついて、それがバズに繋がることもあるんですよ!
nuemo編集長:たしかに、上手くいかないときに闇雲に進むより、一時的に休憩したほうがアイデアは湧いてきそう。
どでんちゃん:ですね。一旦止まることも、長期的に見て大切だと思います。
どでんちゃん先生が描く将来像
nuemo編集長:今回はどでんちゃん先生にお話を伺いました。思っていたよりも緻密にマーケティングを行っていて、びっくりでした。
最後に、思い描く目標や将来像を教えてほしいです。
どでんちゃん:今は体を痛めてしまって休職中ですが、少しずつリハビリでイラストを書き始めています。
復活したら、SNSをさらに伸ばして、単行本を出すこと。それで、その漫画がドラマ化・映画化すると良いです!
そこをずっと目標にして商業に転換したので、頑張ります!
nuemo編集長:ありがとうございました!